かべメモ

いわゆるメモってやつです

ミュージカル「I DO! I DO!」の感想

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2014年8月、赤坂レッドシアターで上演されていた公演です。たくさんの未体験と、舞台空間にあるほんのひとさじの魔法、そして現実を振り返らざるを得ない内容…と、忘れられない公演の一つとなりました。

発生するのが魔法でバビューンとかではなくてごく普通の日常の事件ばかりなので、ときどき「自分だったらこうするのに!」という思いが胸から溢れそうになるのでした。そっと自分のことを棚に上げて鑑賞すると、素敵なナンバーがどんどん押し寄せてきました。

ファン目線をなるべく隠して書こうとしてみましたがちょっと無理でした。

感想メモなど

  • 劇場が狭い(動揺)
  • あの枕は魔法アイテム
  • (ファンとしては)嬉しいけれど驚くところもあるし無いわけがない
  • どちらの夫(役)も素敵
  • 「結婚」との遭遇歴で深層に残る感想が変わる
劇場が狭い(動揺)

私は観劇経験値が高くないので、会場の下見(と称して別の公演を観劇)をして心の準備をしました。少なくとも赤坂見附のサラリーマン街感を先に確認できていてよかったなと思います。

改札出たらビックカメラがあって動揺。エスカレーターのぼって右向いたらなんだかギラギラしてて動揺。道には迷わなかったものの周辺を一周して立ち食いそば屋や飲み屋の多さに動揺。劇場の入ってる建物はお洒落なのですが、周囲が想像してた街と違っていて不思議でした。

さて気を取り直して劇場のはなし。観客目線での座席の感想を述べると、前方の席は近すぎて直視できないし近すぎて見えない部分がありそうで大変そうだなと思いました。休憩中などに最前列の前を移動しつつ客席側に振り返ったら、後ろの列までお客さんの顔が見える気がして「どこで観ててもリアクションはわりとストレートに演者さんに伝わっちゃうんではなかろうか」と動揺しました。

劇場へ入る通路他スペースが狭いのは、雨天の休憩時などにどこにいたらいいか悩んだりもしましたが「トンネルくぐって異空間」気分は高まって楽しかったと思います。

座席的に一番好きだった眺めは真ん中〜後ろの上手側ブロック。アグネスはだいたい上手側にいることと、上手前方通路〜ドアの演技をストレスなく観られるので好きでした。ベッドの柱で寝ているアグネスが見えないことはあったけれど。

あの枕は魔法アイテム

ミュージカルにしては現実味あふれる内容の中で、唯一の違和感が、ベッドや家とともにずっと二人を見ていた「神は愛なり」枕です。原作ではどうかはわかりませんが、さすがに50年も使っていたら少しはくたびれると思うのです、現実世界なら。とはいえアグネスが新しいのをこさえた気配もなく、置いていくと言います。シーツ等他の寝具はさすがに新しいのに変えて出て行ったのではないかと私は思ったのですが、あの枕だけは変えようがなくて、とはいえ置いてっても引かれない程度にはボロくなっていない…。あの枕は魔法のアイテムなので古びない、と思うことにしました。そういう和みアイテムがあることによって、劇中のシリアスな点を現実世界に引きずることなく自分の日常へ帰りやすかったような気がします。

(ファンとしては)嬉しいけれど驚くところもあるし無いわけがない

女優やらないの?(略)20年後を見てみたい。

歌劇2012年4月号「サヨナラてい談」 大野拓史先生の言葉より)

この言葉がファンとして心の支えだったりしたようなところがあります。既に卒業から2年。20年という長さからしたらちょうど10%くらい経過したところにやってきたこの公演です。劇中の時間経過は50年くらい。この先まったく同じようになるかはわからないけれど、今回の公演ではその20年をはるかに超える期間をチラッと見られたような気がして幸せでした。

結婚式のシーンでは客席を参列客に見立てたりするのですが、ファンがそこに混ざるとまるで霧矢さんの結婚式に参加しているかのような(妙な)感動がありました。女優としての前途を祝福しているのかなぁ、とか。今思い返すと「女優という職業を選択した霧矢さんはこの先どのような役をやる可能性があるのか」というシミュレーション的な見方もあったのかなぁと思います。それがいずれも魅力的であって、「わたし長生きしてちゃんとこの先々を目撃したい!」という思いも強くなった次第です。

OGファンの洗礼といえばキスシーンなのではないかと、先に卒業した生徒さんのファンの方からのお話でかねがね、もう本当にかねがねよく伺っておりました。今回はアメリカのご夫婦のお話なので全くないのもそれはおかしいかなと思うので覚悟はして行きましたが、さすがに初日あたりはちょっと動揺しました。今回客席から舞台までの距離が近すぎて目をそらす場所がないのですが、やはり「大恋愛!!!!!」みたいなのとはちょっと違うので、私は抵抗感はそれほどなかったかもしれません。

どちらの夫(役)も素敵

マイケル役は福井貴一さんと柳瀬大輔さんのダブルキャストでした。どちらも脚本は同じはずなのに感じるものが違うのが不思議で素敵でした。(初日順に)

柳瀬さん。そつがない感じがとても文系っぽいマイケルでした。会期後半になるにつれ熱さとか調子乗り具合とかが増して、徐々に演目としての完成度が高まったような。「Nobody's Perfect」の、アグネスが注意されると膨れる顔の再現が個人的にツボでした。(膨らませるのに合わせて「ぷっぷー」って脳内で効果音をつけてました)

福井さん。ハプニング続きでドキドキしながら観たけれど、ことばについて扱う場面にとても説得力があって、「この人は間違いなく作家だ」と思ったマイケルでした。「I Love My Wife」までの出ずっぱりで大汗をかいてて「暑いよう…」と寝言を言うところがツボでした。

「結婚」との遭遇歴で深層に残る感想が変わる

内容に関する具体的な感想について言及するとだいたい身の上話になるのがこの公演の恐ろしいところだなと思いました。できたらネット上に吐き出すのではなくて、観劇後に誰かと語らいたい。自分が語るだけではなくていろんな方の話を聞きたい。そのために観劇の機会がもうすこし気軽に設けられたらよかったな。そんな作品でした。

私が普段「来世まで関係ないわ」と距離を置いている結婚は想像よりも近くにあるのでした。自分が現在結婚していないとしても近くに結婚している人や結婚していた人や他の方法で生きることを検討している人がいて、アグネスとマイケル二人の関係と似ていたり似ていなかったりします。

時代的に「あるある!ものすごくよくわかる」ってなる人よりも「そういうのあったよね」「こういうのは今もあるかもね」ってなる人のほうが多いのかなと思いました。

次の興味

  • 相手役の福井さん、柳瀬さんがどちらもとても素敵だったので、それぞれ次の作品を観に行く予定
  • ジョーンズ&シュミットとても気になります。10月に「日陰でも110度(柳瀬さんも出演します!)」が上演されるそうなので観劇予定
  • バイオリンを弾く予定もサックスを吹く予定もありません
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