かべメモ

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パルコ劇場「burst! 危険なふたり」(感想編)

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千秋楽おめでとうございました!私も浮かれて渋谷の方向に乾杯しました。

先日幸運にも観劇することができた「burst! 危険なふたり(パルコ劇場)」の感想などをメモしておきたいと思います。いろんな人に観てもらいたかった!

キャンバスに絵を描いているような舞台だなぁと思いました。ちゃんとした話の筋のあちこちにめちゃくちゃ膨らむ余地が残っている!

観劇したのは開幕直後(5/1)ですが、ネタバレとして目に触れることを避けるために1ヶ月温存していました。そしたら私の適当な記憶もますますぼんやりしています。

なお、この公演に関しては余談も(当人比で)多いのですが、そのへんは別の機会に[余談編]として書きたいと思います。

あらすじ(うろ覚え)

アオキとネガミの二人の話。寝起きの男アオキのもとにかかってきた一本の電話。電話の主ネガミは「あなたの家に爆弾が仕掛けられた。解体に協力してくれないか」と言う。果たして二人は爆弾を無事解体することができるのか?

(アオキはパンフレット中に「青木」の表記がありましたが、ネガミはなかったので、この記事では読みやすさを考え両者カタカナで表記します)

つらつらと思ったことメモなど

みごとに個性が違う二人

観劇後の感想が「役者・草彅剛すげー!役者・香取慎吾すげー!三谷さんありがとう!生きる!」というたいへん萌えとは遠いもので、目撃するチャンスがあって本当にありがたいことだったと思った。同じグループにいてずっと活動しているのに面白いほどに違うタイプの役者2人。でも同じグループだから息が合う。という不思議。

びっくりするほどスムーズに観劇したけど、確かにあの向こうの部屋を見ずにあのテンションで芝居を続けるのはすごいことだな、と、ご覧になった方の感想を読みながらハッとした。

そして今回の最大の見所は役チェンジではないだろうか。途中暗転し、アオキとネガミがチェンジするのだ。(前半:アオキ香取、ネガミ草彅→後半:アオキ草彅、ネガミ香取)ただでさえ「すごーい」って思ってるところにさらなる変身を目の当たりにして震えた。というのがファン的な感想。役が変わった意味とかなんでことさら興奮したんだろうって話は後述。

前半はネガミ草彅のハイテンションで引っ張って、後半だんだん解体作業に謎のスイッチ入ってきたアオキ草彅と書くとまるでつよぽんがぶっちぎっていたみたいだけれど、謎のハイテンションの電話の主と息を合わせられないアオキ香取、手綱を握っていたつもりが電話の向こうのアオキが走りだしているネガミ香取もまたきっちりコントロールしてたというのか。ピッチャーとキャッチャーというか。制御できてそうでできてなさそうででもやっぱりできてる感じ。あと香取さんめっちゃ舞台映えする。オーシャンズのときも思ったけど良い背中をお持ちだ…。

あとものすごく個人的に心配していたのが、「実はこの役替わりが別のバージョンとかないのかな」ってことである。ストレートパターン2種と役替りパターン2種。

 前半後半
この公演 アオキ香取、ネガミ草彅 アオキ草彅、ネガミ香取
配役が逆 アオキ草彅、ネガミ香取 アオキ香取、ネガミ草彅
通し1 アオキ草彅、ネガミ香取
通し2 アオキ香取、ネガミ草彅

表まで書いてドキドキしてるけど、私が見たのは一番上のパターンだったけど、本当に下3つは実際にはない配役だよね?私が知らないだけじゃないよね?とまだちょっと思っている。

作品の舞台が日本ってことになぜか驚いた

何も事前情報がなかったので色々シチュエーションを空想しつつ挑んだものの(その話は余談編で)、なぜか登場人物はカタカナの名前の人なのかなぁ漠然と思っていた。そしたら舞台は全然ふつうに日本人だったので、「そうだよね役者さん日本人だものね」って恥ずかしくなった。書いてみたらあまり内容と関係ないつぶやきになってしまった。

ところどころで発生する、針の先くらいのところに観客の意識が集中するポイント

前半だとバナナかな。後半はあの錠前をなんとかするところ。どちらのアオキもテープを剥がし始めるあたりの感じが好きだった←このへんの表現が曖昧になってるのは記憶が薄れつつあるのとあと照れとかと色々。

フリートークまで含めて公演です

お芝居の後にちょっとフリートークがあった。そして劇中で出た曲を二人で歌って終了。かなり緊張感あるお芝居のあとなので、見たことある2人に戻ってくる安心感があった。宝塚で言うとフィナーレみたいな。いや宝塚のフィナーレは全然現実に戻ってくる感はないけども。

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私の観劇した回(5/1 19時)のざっくりうろ覚えメモより:(ざっくりしすぎて自分で補完できない)

つ「今日何曜日だっけ?」 観客「金曜」
し「その話するの?」
(このコーナーで何を話すかとかわからないとかそういう感じの話の流れだった気がする)
(この日は山本耕史さんと観月ありささんが観劇に来ていた)
し「もういないでやんの」「あのへんが関係者席だったのかな」
ハンドマイク持ってトークするまでが1公演です、と。
オーシャンズの二人が来ていたので慎吾は少しカッコつけていた的なことをバラす剛。
剛袖へはける。慎吾座り込む。
し「昨日初日の後二人でご飯食べにいった。5〜6年ぶり。…あのとき(前にご飯食べに行った時)何があったんだろね(笑)」
つ(ギターを持って戻る)
 「焼肉おいしかった」

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なぜ二人が入れ替わったのか

あの演出により、「これはテレビでもラジオでもなくて演劇なのだ」と私は強く印象づけられた。同時に「様々なジャンルの仕事をこなしている印象のあるSMAPの二人が、舞台という表現方法にトライしている」という印象もまた受けた。「ありえないシチュエーションが、話の進んでいくうちにいつしか馴染んでいる」という舞台の不思議について改めて見せつけられたというか。そもそも役を演じている時点で非日常なのだけど、更に高度な「ありえないけど馴染んでる不思議」を見たような気がした。

二人がお互いに「(中の人が)入れ替わったぞ…!」って一発で判別できる体格をしていることもこの件の素晴らしいところで、これは両者パジャマで現れた初日前の会見の映像でも顕著で。

ストーリー的になぜ入れ替わったのかもうちょっと納得しようとしてみたら、「実は前半の暗転時にあれはいちど爆発しちゃってる」のではないかなというところに至った。入れ替わったのは「強くてニューゲーム」的な。なので二幕の最後のあとにもまた続いている(入れ替わりが発生している)可能性があるのかな…という想像をしながらいち観客は帰路についたのだった。

(以下想像)「缶が小さすぎてピンセットとか使わないとダメで、ないから毛抜きとか持ってきて、そのうち顕微鏡みたいなものが必要になったりして…」とか、「入れ替わりの対象は本当にあの二人だけなんだろうか?何回もやってたら一回くらい三谷さんが混ざってそうだな」とか、かなりの想像が膨らむ要素だった。

そういう余地が残りつつもメインの話はちゃんとしているし伝わっているのが楽しいなと思った。何回か観劇できたら、このあたりの考え方は変わっていたのかもしれない。

バナナは何で針と糸は何か

あまり意味はないのかもしれないと思いつつ。バナナの印象が強烈だったので、この作中におけるバナナが爆弾だとしたら針と糸はなんだろうななんてことをぼんやり考えたりもした。ちなみにバナナのアレは試しました。旅先で。その話は余談編で。

 実際の時間軸との兼ね合いってどうだったのか。

最初に話していたリミットはだいたい1時間で、公演時間は全体で100分程度。という野暮な話。たぶんどこかがスローモーションになってたんだと思う。そういえばゆっくりだったところあったな。

そもそも本当にあれはなんとかいう爆弾犯が仕掛けたものなのだろうか。

これは妄想の範囲に入るが、実はネガミが一枚かんでる説もあっていいかななんてことをちょっと思った。アオキが解体に失敗すると自分もひどい目に合う設定になってるとか。

さいごに

この公演のことはかなり大事に心の引き出しに入れておくつもりだけれど、お二人には是非また舞台でさらなる魅力を発揮してほしいなぁと願っています。次の機会を楽しみに待ってます!