かべメモ

いわゆるメモってやつです

レミング2015鑑賞メモ

諸条件が揃っていたら暗唱できるレベルで通っていたのではないかと思います。

感想巡りしてると出てくる文学的な感想におじけづいておりましたが、そうでないものもちょっとくらいあってもいいかなと、わからないなりにあまりビクビクしないでメモを残しておきたいです。

初見のあと電車で家に帰る途中も「どこからがあの作品の世界なのか」と、それまで普通だったものが違う肌触りであった錯覚を覚えましたが、後日、会場で販売していたサントラをイヤホンで聞きながら街を歩いていると、街のノイズと混ざって、台詞はないのに更に自分が舞台の世界に入ってしまったような気持ちになりました。

鑑賞前の状態

鑑賞前の状態を簡単に記しておきます。寺山作品にもアングラという概念にもあまり馴染みがありません。近そうな舞台の鑑賞経験といえば「少女革命ウテナ」(1999年、月蝕歌劇団ザムザ阿佐ヶ谷)くらいの筆者です。ウテナはテレビアニメを見てました。あの合唱曲はくせになりますよね…ってそれは寺山修司ではない(J・A・シーザー)!

しかしその経験のおかげか、鑑賞中そんなに嫌な感じはしなかったような。

影子様かっこいい

なにがどうなる話かという説明が非常にし辛い作品です。でもまずこれだけは言いたい。影山影子様がとてもかっこいい

登場時、満月のように大きな時計をバックに椅子に座る姿、「灯りを頂戴」と言うとフラッシュのように一瞬光って照らされる姿が。

女優役というと『オーシャンズ11』のダイアナ様が思い浮かびます。(役柄上)結局ショー場面をちゃんとやらせてもらえなかったダイアナ様よりかなり扱いが良い印象です。話がそれましたが、そんな登場から始まる映画の場面は、ひととき「アパートの壁がなくなった」不思議な世界を忘れるようです。結局その映画の世界も、流れ込んできたもののひとつなのですが。

私もあんな綺麗な人になら何度でも夢のなかで撃たれてうっとりと死にたい…

大事なことなので繰り返しますが、とにかく最初の姿がびっくりするほどかっこいいし美しいので、あれだけでまずどう控えめに考えても(ストーリーが多少お好みに合わなかったとしても)観に行く価値は十分あると思います。夢に出るかもですよ。

映画の中ではスパイ的な設定ゆえかドレスに銃(しかもとてもよく見えるところに持ってる)ってどうなのと思いましたが、映画なので。ホルダーがさりげなくデコられてるのがかわいい。

戯曲も復習のため取り寄せて読みましたが、あのものすごく速い罵り言葉のくだりはなかったです。

個人的には最後の方の、段のとこに腰かけて脈をとられながら行進を見る姿が好きでした。

ソフトなアングラ…なのかな?

事前インタビューに出てきた「アングラ」というワードにかなりの警戒心をもって観劇しました。しかし劇場が大きくて綺麗ということもあるし、キャストもあるし、そんなにグロテスクな表現もなく、リズムもあってむしろ美しいなと思って劇場をあとにしたのでした。

頭のなかに演劇的な比較対象がないため推測になりますが、アングラ的にはそうとうソフトですよね?でもこれをきっかけにそのような方向にハマる人もいるかもしれないな…と思いました。

世界の涯がどのへんにあるのかという鑑賞後の私のイメージ

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ざっくりとですが、ラストシーンで感じたイメージはこんなでした。果て(涯)も壁もどこか遠くの話だと思っていたら、むしろ自分の内側にあって、それに気がついた瞬間に世界が途方もなく広く見える、みたいな。